【読んだ本】シリア アサド政権の40年史 国枝 昌樹 平凡社新書

シリア アサド政権の40年史 (平凡社新書)

シリア アサド政権の40年史 (平凡社新書)

はじめに
第1章 吹き荒れた春の嵐
第2章 中東の活断層
第3章 シリアをめぐる国際状況
第4章 ハ―フェズ・アサド大統領の三十年
第5章 パーシャル・アサド大統領の十年
おわりに
年譜 

現在のシリアの民衆蜂起について解説した後、中東周辺各国とシリアの関係やシリアの独裁政権の歴史(特に外交面)について書いた本

著者は2006年~2010年までシリア大使をやっていて、退官した外交官。
全体的にシリア寄りの記述が目立つ。

アラブの春が必ずしも民主化運動ではなく、
組織化されたイスラム保守組織が介在していることや
・ソ連寄りの政権として過ごしてきた歴史があるため、世俗政権として中東の中ではイスラム教に寛容であること
 

など学べる部分もあったが

 

なぜ欧米各国から制裁されているかというような内容になると、
北朝鮮からのミサイル購入、イランとの関係、人権弾圧、化学兵器などのワードは出てくるものの、詳しくは扱っておらず、シリア側が優位なように印象操作しようとしているような感じを受けたので 公平な記述とは言えない。

 

 でも主要なメディアは反乱軍よりのニュースなり何なりを提供してるようだし
シリアサイドから見たストーリーとしてみるといいのかもしれない。

 

僕はあまりシリア情勢に詳しくないので、基本の理解としてはバイアスがかかっていそうで不向きだなぁと思いました。