【読んだ本】検証バブル犯意なき過ち 日本経済新聞社=編 日経ビジネス人文庫 ★★★★


 

読んだのは2回目。
1回目に読んだのは、就活の前後で就活での話題のタネ本として役立った。
「最近読んだ本は?」に対して使っていた1冊。金融業界でやるとちょっとウケた

f:id:tkshn:20120903225223j:plain

1990年生まれとしては、バブルが崩壊してダメになった日本しか知らないけども
そもそもなんでこういうことになってるのという疑問解消のために読んだ本
 
バブルが始まって、関係者が地に足つかなくなっていく様子とか
尻に火がついてるのに、なかなか抜本的な解決ができない様子とかを感じることができる。
バブルというと僕のイメージの中では
全員がタクシーに向かって一万円札を振っているイメージ(バブルへGOから生まれていると考えられる)だったのだけども、全然そんなことはなくて
バブルの最中にも、「地価が高すぎてマイホームが買えねえよ!」
という批判が強かったというのは勉強になった。
みんながみんなバブルで儲かってたわけじゃないのね
それがバブル退治のきっかけになったようだし。

f:id:tkshn:20120903225231j:plain


後はバブルの最中にも「この景気過熱は異常だろ」と言うような人たちがいっぱいいて、
その人たちがことごとく左遷されていくのも面白かった。
こんなのは原発事故と同じで、実際に事故が起こった後は評価されるんだけど
間違った方向に突き進んでいるときに言っても、排除されて終わりなんですよねぇ
こういうのどうにもならないんですか
 
ただこの本の目的として、バブルがなぜ起きたのかという検証、解釈をしていくというのをはじめにで設定しているのだけど、その点についてはうーんという感じ。
政策当事者に対してインタビューを丁寧にやっているせいか、解釈の方がとても甘口で、
『まぁこの時点ではどうしようもなかったんじゃないの』 というのを
繰り返し繰り返し書いてあって、邪魔くさいので、
もう事実関係と関係者へのインタビューをまとめて、解釈はぶん投げた方がすんなりとしたいい本になったんじゃないかなぁ。
あとバブルの形成~崩壊に絶対日経新聞深くかかわってるだろ、自分たちはどうしたんだよという疑問が・・・ 
まぁとにかく、バブル形成~崩壊に至る流れについて書いた本だと考えるととてもよい本。
事実関係の整理+政策当事者へのインタビューでどのような意図で 政策を実行していたのかが、よくわかる。
 

 

はじめに
第1部 膨張
1章 宮沢喜一の一五年
2章 国際協調の落とし穴
3章 幻想の債権大国
4章 加速する歯車

第2部 崩壊
5章 日銀「鬼平」の誤算
6章 崩壊 株式市場
7章 寓話になった土地神話
8章 増殖 無責任構造

第3部 清算
9章 六千八百五十億円の呪縛
10章 金融メルトダウン
11章 かすむ司令塔

第4部 黙地録
12章 封殺された警鐘
13章 「歴史は繰り返す」と言う前に

「検証バブル」関連年表
解説  

 

 内容(「BOOK」データベースより)

失われた10年」の原因になったバブルの膨張と崩壊。官僚、政治家、日銀、経営者は、当時どのように判断し、行動したのか。その真の責任者は誰なのか―。日本経済新聞社が膨大な取材と綿密な跡づけ作業で、「道を誤った」日本経済を冷静に検証した力作。
 

 内容(「MARC」データベースより)

バブルの検証なくして日本経済の問題点は解明できない。小さな政策ミス・意思決定の誤りの積み重ねがバブルを生み出し、崩壊させた。日本に巨大なダメージを与えたプロセスを徹底検証する。『日本経済新聞』連載を加筆修正。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。